アジアをはじめ、世界にいくつもあるヴィッパサナ瞑想の施設。日本には千葉と京都に施設があります。どちらも山奥にひっそりととても静かな場所に。
私は千葉と京都と1回ずつ、ヴィパッサナー瞑想を受けたことがあります。人生が変わる瞑想!?と聞いていましたが、人生を変えるきっかけをもらえたと思っています。
まずは、1回目に千葉に行った時のお話。参加しようと思ったきっかけやどんな人が来ていたか?基本情報や瞑想センターのルールなどについても説明していきます。
参加しようと思った理由
インドに行った際、毎朝6:30から2時間、呼吸法と瞑想のレッスンを1ヶ月受講。座っているだけなのにこの「スッキリ感」はなんだ?と新しい感覚を知り、さらに瞑想に興味を持つ。
リトリートの先生がヴィパッサナー瞑想に行った話も面白く、「日本に帰ったら絶対に行く!」と決めていて日本に帰国後、速攻で予約。
厳しいルールに耐えられるのか?試したいという気持ちも強かったのが正直なところ。人に触れない、目を合わせない、話さないなどなど。
1日10時間も瞑想をするが、何よりずっと座っていられるのか?ルールを守りながら10日間耐えられるのか?そもそも、これが心配。
◉ヴィパッサナー瞑想って?◉
ナーマ(こころのはたらき)とルーパ(物質)を観察することによって仏教において真理とされる無情・苦・無我を洞察する瞑想である。
とウィキペディアに書いてあったけれど。う〜ん。やる前からこんなこと言われると難しく感じてしまう。わたしにできるだろうか?
私の頭の中はインド=公用語のヒンディー語だったので、他にインドで使われている言葉は思い浮かばなかった。
インドに行った際、隣の席のインド人と仲良くなった。その時にインドでは300近くの言葉があることを知った。
このヴィパッサナーという語は、パーリー語。物事をありのままに観察することを意味する。
インドでヴィパッサナー瞑想について聞いていたのは、「今の状況をただ観察する、スキャニングしていく瞑想」「呼吸でコントロールしたり、イメージは使わない」などなど。
ヴィパッサナー瞑想で、「人生が変わった!」とか「別に変わらなかった」とか人それぞれ。どちらも聞いたことがある。
私の場合はどちらかというならば「変わった」にハイっと手をあげる。もっと的確にいうならば人生が変わるきっかけを作ってくれた。特に2回目の京都のダンマバーヌで。ただはじめての時は、、、
・10日間やり遂げることができるのか?
・本当に何か変わるのか?
・本当に人生が変わるのか?
・他の瞑想と何が違うの?
主にこの4つを確認、体験するために参加!!
どんな人が参加していた?
参加者はどんな人達だったかというと、、、
・大学生
・バックパッカー
・ヨガ
・瞑想
・マッサージ
・ヒーリング
・ベジタリアンやマクロビなどの食
・パーマカルチャー、自然農
などに興味がある人や、仕事にしている人が多かったです。また、他には、、、
・お洋服のデザイナー
・主婦
・近い友人・家族が参加し話を聞いて、タイミングがあって来ることにした人
ちなみに、妹はわたしが行った後、話を聞いて興味を持ち参加。男性参加者も多く、夫婦やカップルできている人も!
夜には講話を聞く時間がある。日本語または英語で聞くことができるので外国人の方もちらほら。
将来的には、もっと英語を勉強して他の国のセンターにも行ってみたい。
インドで会ったヨガ友は数カ国のセンターを体験。国境を越えてやさしい気持ちをお互いにもてたり、また瞑想中の楽しみでもある各国の料理を味わうことも面白く新鮮だったようだ。
9日目の午後からだっただろうか、沈黙の時間が終わり、参加者とお話をしても良くなる。人と目を合わせ感情を出せる喜びを改めて知る。
お掃除の時間にお話した方の中には、旦那さんに「瞑想に行って来る」と言ったところ、新興宗教と勘違いされて、ずっと反対されていた。
先に言っておくと、この施設は決して宗教団体ではない。
数年後に「禅に行ってくる」と言い方を変えたところ「行ってらっしゃい」とあたたかく見送られ、10年越しに願いが叶って今回参加した!という主婦の方にも会った。
インドに行った時と同様、大切なのがタイミング。仕事をしていると瞑想の10日間+前後各1日の合計12日間を空けるのも大変。
私は千葉のダンマーディッチャには1月、その1年後には京都のダンマバーヌに3月に参加したが、3月の方が大学生が多かった。
会社員の方に人気なのはやはりGWと年末年始だろう。会社のお休み+有給で時間を作る!!ただ、会社に「瞑想行ってきます〜」ってあなたは言えるだろうか!?笑。さてお休みの理由何にする?
瞑想施設は寄付だけで運営!
参加費などは決められたものはなく、ドネーション(寄付)で成り立っている。寄付の額を自分で決めることができる点もこの施設を信頼できた1つ。
誰かがいくら払ったから、私もいくら払わなければならないでもなく、施設から「最低いくら払って!」と言われることもない。
今の自分の経済状況や今回の体験に対しての気持ちから自分で決める。むしろ金額を提示された方が楽かもしれない。でも、ちゃんと自分で払う金額を決めなくてはならない。
払える金額が、自分の持っている金額よりも少なければ、草むしりや掃除などをして労力で払うこともできるし、お金が入って来たときに寄付をしたり、食べ物を施設に送ったりいろいろな形で感謝を表現できるのもいいところ。
指導者もお金はもらっていないとのこと。施設の運営を強制のないドネーションで成り立たせるってすごい。
ヴィパッサナー瞑想の厳しいルール
この瞑想に参加するには守らなければならないルールがある。この規則をしっかり守る気持ちがある人だけが参加可能。
精一杯の努力をする覚悟のない人がコースに参加することはその人の時間の浪費でもあるし、真剣に取り組んでいる人の邪魔にもなってしまうからルールはちゃんと守りましょ。
★厳格に守らなければならない5つの戒律★
1. 生き物を殺さない
2. 盗みを働かない
3. 一切の性行為を行わない
4. 嘘をつかない
5. 酒・麻薬の類を摂らない
さらに古い生徒(2回目〜の参加者)はプラス3つのルールが加わって、、、
1. 正午以降食事を取らない
2. 踊りや歌などの娯楽を避け、装身具などで身を飾らない
3. ぜいたくな高い寝台で眠らない
というのも守らなければならならない。
「一切の性行為を行わない」とか書かれると、一瞬「ん?」
「酒・麻薬の類を摂らない」となると「麻薬っ?!」
「ぜいたくな高い寝台・・・」となると「ベッド・・・だね?」
と所々つっかかりながら、一通り目を通す。
(日本ヴィパッサナー協会のWEBにも記載がありますが、わたしの言葉でも紹介させてください。)
<聖なる沈黙>
コース開始から最終日の午前中まで聖なる沈黙を守らなければならない。身体・言語・精神の沈黙を意味していてジェスチャーや手話、メモ書きなども含む一切のコミュニケーションは禁止。1人で生活しているつもりで過ごしてみよう!
<男女の分離>
友人・家族・カップルであってもコース中に接する機会はない。カップルで来ていたお姉さんと話した時、こんなことを言っていました。
「ついつい瞑想の部屋に行くと「いるかなー、頑張っているかな?」って無意識に探しちゃう。」って。意識してしまい集中の妨げになると。
でも、パートナーと別々の場所だけど人生の中で同じタイミングで修行するって憧れるなあ。わたしも夫を誘ってみたけれど、
「僕は施設ではなく、1人で誰もいない森に行って10日間を過ごしたい。」と言われ断られた。
<体の接触>
同性・異性問わずコース中は体の一切の接触を避ける。触ったり、触られたりがない。食事の準備の時とか触れないように人と気持ち距離をとって過ごしていた。
<ヨーガ・おそびその他の運動>
帰ってからは、ヴィパッサナーと両立することはできるがコース中は中止してくださいと記載されている。ジョギングもNG、でもウォーキングはOK!
ウズウズとストレッチしたくなったけれど、ストレッチや筋トレしていた人はコースマネージャーから注意されていた。なので、モノを拾う時に膝伸ばして拾うという隠れストレッチ!?をしてしのぐ。
<お守り・数珠・水晶・お札・十字架のネックレス など>
持ち込み禁止。マネージャーに預けることになる。宗教的なお話でなくオシャレで十字架もNG。ちなみに、お財布や携帯、筆記用具、本なども預けることに。
<アルコール飲料 および 薬>
精神安定剤、睡眠薬、鎮静剤もNG。医師が処方した薬や安定剤を摂取している場合は指導者に申し出が必要。
毎晩晩酌している人はこれは結構キツイかな?お酒はこのコースの間は飲めません。これを機に断酒するという方が参加者にいました。
<喫煙>
咬みタバコ、嗅ぎタバコを含む喫煙は禁止。全ての生徒の健康と快適な滞在を保つため。これも、喫煙者にとってはやめるきっかけになるかもしれない。
帰りのバスを待っているときに、喫煙者の女性と話していて、「不思議と今、別に吸いたくない」って言っていました。その後どうなったかは不明。
<食事>
シンプルな菜食料理。参加者全員の食事の好みには応えることができないことも理由の1つ。瞑想に適した食事を用意してくれる。
医師からの特別な食事療法を指示されている場合はコース申し込み時に申し出ましょう。あと、断食は許されてはいない。
<衣服>
シンプル・控えめ・くつろぎやすいもの。露出が多いもの、体型を強調するものは避けましょう。わたしは1月と3月にしか行ったのですが、冬は毛布の貸し出しがあり、暖はとれます。かなり重ね着して丁度いいくらい。
記憶が定かではないのですが、参加前にもらった確認メールにはシャカシャカジャージ禁止って書いてあったと思います。シーンとしている中だと、このシャカシャカ音、響き渡ります。人の邪魔になりますからね。
<洗濯と入浴>
WEBには洗濯機乾燥機なし、十分な衣服を持参してと記載あり。手洗いとかも可能だけど、私は洗濯しなくてもいいように多めに持参(←特に下着)
アウターは、2〜3パターン用意。ほぼほぼ一緒のもので生活しました。
入浴は基本シャワー。ただ、入浴の時間は決まっていて、空き時間に入らなければならず混み合う。次の人のことも考えて、パッパッと入るのが良いでしょう。
<外部との接触>
コース期間中はコース敷地内にいなければならない。手紙、電話、訪問者もN G。携帯電話もパソコンも預ける。友人や家族からの緊急連絡はマネージャーが受けることは可能。
電子機器と離れられるのは特別な10日間になること間違えなし。
<音楽・読書・筆記>
楽器演奏やラジオの使用も禁止。読書や筆記用具の持ち込みもNG。メモを取ることは修行の妨げになるとのこと。
<録音機器・カメラ>
指導者からの許可がない限り使用はできない
私はラッキーなことにタバコやお酒は嫌い。ベジタリアンやビーガンではないけれど、ヘルシーな食べ物が好き。
「殺さない食べ物」しか食べない。人に用意してもらえる10日間が、かな〜りありがたかった。
ただ、「人と目を合わせない」とか「一切の私語禁止のため誰とも話さない」とか、途中で我慢できなくなって大声を出してしまうのではないか、発狂したくならないのか?
また、ヨガやストレッチ、運動は禁止のため(歩くのはOK!)体がウズウズしてルールを破ってしまうのではと少々の不安とワクワクでいっぱい。
ヴィパッサナー瞑想の施設のごはん
殺さない食べ物が出て来る!古い生徒でお世話係を志願してくださった方が作ってくれます。
野菜中心でお米(白米・玄米)やパンも用意。お茶、紅茶、コーヒー、ミルク、豆乳、ポッカレモン、すりおろしの生姜。ジャムやバター、ごま、みそ、塩、梅干しも充実。
その日のおかずも頂きながら、玄米ごはんにゴマをかけて味噌をつけて頂くのが個人的には好きな食べ方。パンを頂く時はバターかオリーブオイルで。夜はフルーツ。リンゴやミカン、バナナなど。
わたしはコーヒーが苦手。紅茶の用意があるため、「紅茶+豆乳」や「紅茶+すりおろし生姜」「すりおろし生姜+ポッカレモン」など自作ドリンクを作ることが密かな楽しみだった。
たまたま朝ごはんの時、隣にフランスからの留学生の女の子が座りました。その子は、ごはんをスプーンで潰し、そこに牛乳をかけて、ジャムを入れて食べているのを目撃。
食文化の違いを改めて感じました。皆それぞれ、工夫しながら自分流を見つけて楽しんでいた模様。
私の時は、人参のおかずが人参の混ぜご飯に。さらにその次の日には人参のリゾットに変身!(これが半端なくおいしい!)
まるで南極料理人のように「無駄なく、美味しく」前日のごはんが上手に変身して出てくることが楽しみであり、おいしいご飯を食べれることがとても幸せでした。
ヴィパッサナー瞑想参加 初日
今回、はじめてのヴィパッサナー瞑想は日本で2番目の瞑想センター、千葉県にあるダンマーディッチャへ。(「ダンマの太陽」*ダンマとはパーリー語で「法」を意味。)
私は生まれも育ちも千葉県だが、なかなか下り電車に乗ることはなかなかない。東京から約1時間半、JR外房線・茂原駅に到着すると、そこからバスで施設近くまで行ける。
バス停に並ぶと、大きなバックパックを背負った人やカートを引いている人でいっぱい。そう。この方達は今回の瞑想参加者です。
私の後ろの後ろぐらいの人が、「これってヴィパッサナー瞑想行く人ですか?」なんて話しかけているのを聞いて一安心。
地元の人も一緒にバスに乗って20分、ここでいっせいにみん下車。(バスに乗る前に小銭の準備忘れずに!!)
夕方、施設に到着して確かご飯を頂き、寝る場所や施設の使い方、ルールの説明を受けて、携帯やお財布など貴重品を預け、古い生徒の紹介も終わり、いざスタート。
もう誰とも話さなくなり、ぐっとムードが変わって。。。